豚肉丸

真昼の不思議な物体の豚肉丸のレビュー・感想・評価

真昼の不思議な物体(2000年製作の映画)
4.6
リレー小説形式で様々な出会った人達に物語の続きを考えてもらうお話

初アピチャッポン。
やってることはただのリレー小説でしかないのだが、これが滅茶苦茶面白い。車椅子の少年と家庭教師の女性、そしてスカートから落ちた不思議な物体という三つの要素が提示され、出会った人達が話を紡ぐことで物語が生まれていく様が面白い。その人個人のバックグラウンドが語られたりすることで一つ一つの物語に個性が生まれ、それらの物語を繋ぎ合わせたらグチャグチャになるのがリレー小説っぽくて良いし、小学生のガキが何もかもをぶち壊していく様が面白すぎて大爆笑してしまった。この場面が面白すぎて途中の場面の記憶が飛んでしまうぐらいには面白い。

一応ドキュメンタリーパートとフィクションパートの二つに明確に分かれているのだが、所々現実なのか創作なのか分からない場面を混ぜてくるのが面白い。途中完全に映画撮影自体が作り物であると自覚したようなショットも面白く、メタ的なドキュメンタリー映画としてもなかなか面白かった。
それにしてもあの小学生のガキ。凄すぎるとしか言いようがない。
豚肉丸

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