スローモーション男

冬冬の夏休みのスローモーション男のレビュー・感想・評価

冬冬の夏休み(1984年製作の映画)
4.8
 めちゃくちゃ良かった!

初のホウシャオシェン作品

小学校を卒業した冬冬が母親が病気のため、妹ともに田舎の祖父母の家に夏休みの期間預けられる。そこで過ごすなかで、夏の冒険に繰り出していく。

ものすごい展開があるわけでなく、小エピソードが淡々と描かれていくのです。
カメの競争、少年たちの全裸で川遊び、祖父との交流、義理の兄カップルの妊娠、犯罪者二人、寒子との出会い、

このすべてのシークエンスのショットの構図が素晴らしすぎます。すべて引きの画で撮っていて優雅で美しい風景ばかりです。
電車が通ったり、川が流れていたり、昔の日本映画の演出を学んでいるのが分かります。

この祖父母の家に預けられる嫌な感じがたまんなく出ていました。厳格なおじいちゃんも時には優しい一面を見せ、いろいろ教えてくれる。
でも初めて出会った同年代の子達と友だちになり経験していくのは、一生の宝物になります。
小学生のころ夏に友だちの実家がある長野県の田舎に泊まったのを思い出しました。あと「となりのトトロ」にも似てますね!
ものすごいノスタルジックな想いに更けながら見られます。
こういう一時の出来事を描いてくれる作品は大好きです!そして人間の温かさに触れながら、生きる優しい映画でした!
「非情城市」も楽しみ!