矢作旭

午後3時の女たちの矢作旭のレビュー・感想・評価

午後3時の女たち(2013年製作の映画)
4.4
この映画、スゲー面白い!大傑作だと思います‼

専業主婦レイチェルの、一見とても幸せそうな生活を送る日常の中で、女性としての魅力を失っていく漠然とした焦燥感や、
そのレイチェルを取り巻く旦那やママ友との関係が、まるで本当に実在している人物のようなリアルさで描かれていて舌を巻きました!

特に登場人物と、その関係性の中で繰り広げられる会話が秀逸で、おしゃべり好きのタランティーノの年間ベスト10にランクインしたのも納得の出来!しかも、1位だし!

てゆうか、会話の妙はタランティーノより上なのでは?と思えるほど!

それ以外にも良い所を挙げればキリがなく、
早くも2016年のマイ・ベスト・ムービーが出たかッ⁉︎

と思ったのですが、一般的な評価はそれほど高くないようで、むしろイマイチだった人も多数… なんでだろう?

おそらく、大絶賛している僕と、この映画がイマイチだった人との評価のポイントは同じだと思います。

それは、この映画の“リアルさ”にあると思います。

レイチェルは、子供のいる幸せな家庭があるにもかかわらず、満たされない自分の欲求と好奇心から、偶然知り合った、住む所に困っているストリッパーのマッケナを自宅に住まわせます。

常識的には恐くて実行しえない行為をレイチェルは実行し、自らセットした時限起爆装置・マッケナによって不満が表面化して自爆。

その身勝手で愚かしいレイチェルの行為もリアルに描かれているので、観ていてあまり気持ちの良いものではなく、「ほら、言わんこっちゃない!」とカタルシスも得にくかったんだと思います。

でも、僕はその身勝手で愚かしく、それゆえに滑稽で可笑しい“人間”というものを、映画を使ってここまでリアルに浮き彫りにしている所が、本当に素晴らしいと思いました!

専業主婦でもなければ、旦那もいない、もちろんママ友なんているはずもない独身男性の僕に、ここまでのリアリティを感じさせてくれたのはスゴい!

女性監督ならではの視点がなせる技だと思います!

本当、最高だったし、人の感じ方って千差万別なんだなあと、あらためて思いました!

ん?やべっ!あまりにもこの映画が良かった分、長くなってしまった…

ここまで、お付き合いいただいた方、ご静読、本当にありがとうございました!

僕は、この映画を大推薦させていただきたいと思います!オススメです‼︎
矢作旭

矢作旭