さすらいの旅人

泣く男のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

泣く男(2014年製作の映画)
3.6
★ソウルは線香と銭湯の匂いがする
【CATV/ザ・シネマオンデマンド/配信視聴/シネスコサイズ】

哀愁を帯びた男のロマンを強く感じる映画だ。
少女を殺した後悔の念を持つ殺し屋が、その母親を殺す依頼を受けた事による葛藤を描く韓国アクション映画。久しぶりに見た殺し屋ゴンを演じるチャン・ドンゴンが、寡黙でカッコいい。

とにかくガンアクションがリアルで迫力があった。拳銃やマシンガンの装填から発射、そして銃音や薬きょうが落ちる金属音まで手を抜いていない。銃弾が当たるセットが粉々になるシーンもいい。それはハリウッド映画並みの描写であり、韓国映画恐るべしと言える。ガン以外でも肉弾戦やそれに伴うセットの破壊の凄さもよかった。特にガラスの細かい割れ方は気に入った。

ただ、残念であったのが人間ドラマである。殺し屋ゴンの過去が幼少期から描かれているが断片的なような気がする。また、ゴンが少女の母に対する特別な感情を持つところが、今一共感が持てなかった。やさしい感情を持つゴンは理解できるが…。
ラストは自虐的な面があるが、ゴンの男気を強く感じる。