ずどこんちょ

万能鑑定士Q モナ・リザの瞳のずどこんちょのレビュー・感想・評価

3.1
なるほどー。
意外にも佐藤監督でした。佐藤監督には平穏な街中で突然ドンパチやらせて「非日常」感を作ってもらった方が見応えあります。

綾瀬はるかと松坂桃李の掛け合いは素晴らしかったです。推理力と記憶力に長けた鑑定士と、半端者の記者。どちらもキャラクターに合った好演で、ハマり役でした。
この二人の魅力だけで見ていて飽きないのですが、所々に「そんなわけない」と思わせられる不自然な展開が多すぎて。
物音を消す窃盗事件もしかり、計画通り狂わされて鑑定がダメダメになる弱さもしかり。ゴミ山からヒントを探すのも十分時間がかかるような気もしますけどね。
普段は割とそういう不自然さや御都合主義といった小細工は映画的に面白くなるなら気にも留めずに楽しんでいるのですが、ちょっと違和感を感じる部分が多すぎた印象です。
走り出してはつまずく感じ。

モナリザにまつわる都市伝説や仮説の類も面白かったですし、鑑定修行のトリックも何一つ疑ってなかったので「なるほど」と思ってしまいました。
モナリザが盗まれた100年前の窃盗事件の真相に関する、二人の仮説のぶつかり合いはとても興味深かった。
原作は見たことないので、他の話がどんなストーリーなのかは把握していないのですが、これを見て思ったのは、本シリーズじゃなかったとしても日本版の『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズのような美術品サスペンスの連ドラがあったとして、この二人だったらすごく見てみたいです。

別に最後、警官にわざわざモナリザ掲げて並べさせながら鑑定しなくても良かった気がしますよ。もうちょっと落ち着いた時に落ち着いた場所でやろうぜ……と、まぁそういうのが不自然な流れでした。