親切で真面目なおじさん。実は……系。
クライマックス以外、ほとんどのシーンは静かで、派手なのはここぞというときのみ。そのリズムがとても良い。相手を懲らしめるときもまったく力む様子が無く、数秒で片付けてしまう。まるでシリアルを皿に入れて、冷蔵庫から取り出したミルクを注ぎ平らげるように。
だから石油タンカーを爆破したときは、あまりの派手さに笑ってしまった。
いままでいろいろなCIAを映画で観てきたけど、エージェントはこんなにも無双なのかと驚く。この映画はCIA礼讃のプロパガンダなのかもしれない。んなことないか。
序盤のマッコールとアリーナの交流がとても良くて、そのままヒューマンドラマになってもいい映画ができそう。特にマッコールとアリーナが、初めて同じテーブルに座るシーン。店主がカウンターの奥からふたりを見つめる。これは一服の絵画を見ているようだった。
勧善懲悪ものは心地よくて好きなので満足。