スズタカ

アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅のスズタカのレビュー・感想・評価

3.3
前作は…ほんと、ひどかったじゃないですか。

そのいびつさと比べれば、良くも悪くも、悪くも…普通の映画に成り下がっていました…。

前作「アリス・イン・ワンダーランド」は、ルイス・キャロルの原作や、ディズニーアニメ版「不思議の国のアリス」の13年後の物語でしたよね。

何故か、少女ではなく、大人のアリス…。その利点や狙いが全く理解できず、クライマックスでは甲冑まで着させてフォロー・ミー!的な、全く意味不明でメチャクチャな映画が前作でした。

ただ、前作には突出した魅力がありました。それは、ティム・バートン監督のクリーチャーへの愛といったら良いのかな?ティム・バートンの作品の魅力の1つが、登場人物が多面性を持っていることではないかと思っています。

例えば、作品中の善人役だからといって、100%いつも良い人じゃなかったり、悪人といってもずっと悪いことをしていたりせず、どっちかというと善人、総合的に見たら悪人、とかそんな感じ。

前作では、主人公のアリスよりも、赤の女王や白の女王が、とても魅力的で大切に表現されていましたよね。

ティム・バートンの、その描き方のバランスがとても好きで、ダメダメな作品とは思っていても、嫌いにはなれない魅力が前作にはありました。

が、今作は…下手なモノマネですね〜…。前作でティム・バートンがやっていた路線と同じことを狙っているのは、すごく理解できるけど…バランスが悪いス。

ティム・バートンの絶妙さと比較してしまうと、善人役・悪役含め、全員の良い人度合いが高すぎなのか何なのか、ダークっぽさが足りないのか、何かおかしい。前作ではとても魅力的だったキャラクター達に深みがなくて、魅力が下がってしまっていました…。

その分、尖った部分がなくて広く受け入れられる作品には仕上がっているとは思いましたが…ストーリーも、どこかで見たような内容でフレッシュさも無く、無難な方向に逃げた感じで、俺は残念でした。

俺は…前作の方が好きだなぁ。
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