にく

スティーラーズのにくのレビュー・感想・評価

スティーラーズ(2013年製作の映画)
4.8
『スティーラーズ』。原題は“Pawn Shop Chronicles”、即ち「質屋年代記」。 たまたま鑑賞直後にジョーゼフ・キャンベルの『神話の力』をパラパラとめくっていたら、以下のような記述に出くわした(イエスの磔刑の解釈をめぐるキャンベルの発言)。

 エデンの園での罪のために人間は悪魔の手に陥ってしまったので、神は人間をその質屋の主人である悪魔から質受けしなくてはならない。そこで神は、ご自身の息子であるイエスを質受け料として差し出した(245頁)。

 教皇グレゴリウス(7世か)は「キリストは、悪魔をひっかけるための釣り餌である」という解釈を唱えたそうで、本作の原題を見たときに――さらにはイライジャ・ウッドのあの様子と考えあわせて――この話を思い浮かべる人もいるのかもしれない。 ユダヤ人云々の問題以外に「質屋」にどんな含意があるのか、考えてみたい。
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