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フルートベール駅でのharuのネタバレレビュー・内容・結末

フルートベール駅で(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

クロニクルのイケメン、マイケルBジョーダン主演の実話。
フルートベール駅で元旦に起こった悲劇。無抵抗にもかかわらず警官に射殺されたある黒人青年の、事件当日を描いた作品。

一言で言えば、テーマは黒人差別。電車内で起こった喧嘩で通報を受けた警察がまず行ったのは、犯人捜し。情報も証拠もないのに、とりあえず目についた黒人を捕まえるという点から、未だに黒人差別は普通に存在していることがわかります。(喧嘩は黒人と白人が起こしたものなのに、白人の方は疑われもしない)警察は彼らの言い分は一切聞かずに即逮捕。そして手錠を嵌められたオスカーは抵抗のしようがないのに撃たれました。この一連の流れは数分で完了します。一つの命があっけなく終わりを告げる。命ってこんなに軽いの?衝撃的すぎて本当に心が痛くなりました。
まさかこんな終わり方をするなんて、本人も周りの人たちも思ってなかった。
映画の中心は、オスカーの最期の一日が淡々と描かれています。確かに彼は刑務所に何回か入っていて、勤務態度も微妙で仕事もクビ、お金を得るためにヤクを売ろうとしたりで「良い人間」とは言えなかった。それでも彼女や子供のため、マトモな人生を送ろうとしていた。元旦に心機一転、今年こそ頑張ろうと決意した矢先の出来事。
これ全然自業自得じゃないんですよ!だって彼は黒人じゃなければこんな目にあってなかった。
たぶんこんなにも怒りがわく理由として、オスカーは「良いやつ」なんですよ!ひき逃げされた瀕死のワンちゃんに寄り添ったり、店で会っただけの女の子に親切にしたり、家族にも愛があって友達も大切にしている。人間的にめっちゃ良い人なんです。だからこそ彼の死はほんと理不尽というか。

この映画は政治的な要素はなく、あくまで人間ドラマとして作られたそう。でもやっぱそーゆーふうに見ちゃうよね…日本に住んでる身からすると、違う世界の話みたいだけど、アメリカではよくあるらしい。って恐ろしすぎる!!
口では差別はダメ絶対!とか言っておきながら、いざとなったら行動に出るよね、人間は。命の重さは平等だという認識を本当に持てるような人間になりたいです。
haru

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