劇場の画面スケールでCGを観る、最新の音響設備でSEを聴く、そういう部分を愉しむのに大変すばらしい作品だと思います。恐竜好きにとってもやっぱり堪らない最高の映画です。
ただし、ストーリー的にはこれまでの焼き直しかと疑うほどにお馴染みの展開。なにかの加減で恐竜によるクライシスが起こってそれが解決するという、お決まりのパターンです。その上ほとんどひねりもない。ある意味では裏切りがないのですが、恐竜映画は「恐竜に人間が襲われる」というところから一歩も前に進めていないように思います。20年以上も経ったというのに。
余談ですが、久しぶりに劇中の「突然のキス」を見かけたのは、ある種の幸運だったのかもしれません。
ついでに言いますと、唐突に脈絡なく出現する伏線のようなものが、その後どこでも(明示的には)回収されないのも、いかがなものかと思いました。
かつて恐竜を扱ったTVゲームシリーズの最後のように、本作でも架空の恐竜が登場してしまいます。4作目ともなると仕方ないのかもしれませんが、ちょっと残念でした。
そういういろいろなことを割引いても、恐竜のリアリティや没入感・スケール感は、ほとんどこのシリーズでしか味わえないし、安心して見られるというのも、ひとつの良さなのかもしれません。