幼い頃からオペラ歌手を志しながら、一筋縄ではいかず、紆余曲折を経た後に衝撃的なデビューを果たした英国人歌手、ポール・ポッツ。
本作と、彼の人生を変えたオーディション番組の予選の模様を残したYouTube動画を併せて鑑賞し、しばらくの間彼の歌声と、映画で描かれた素敵な家族、夫婦愛の余韻に浸ってしまった。
本作では幼い頃の辛い想い、携帯ショップでの仕事の経緯、結婚、留学等、どこまでが事実に忠実な内容かはわからないものの、彼の波乱の道のりをかたちづくったひとつひとつのステップが垣間見れて、伝記映画としてとても楽しめた。
特に、妻・ジュルズとの出会い、そして一貫してとても純粋で謙虚で美しい夫婦愛に満ちたやり取りがとても好きだ。
"One Foot And Then The Other.." （一歩ずつ・・）と、優しく言葉をかける妻が、件のオーディションへのチャレンジを後押ししたということは、人生におけるあらゆるチャレンジや、苦難に挑む際に想い出したくなるとても尊いエピソードだと思う。
クライマックスのオーディション予選のシーンでは、実際の審査員の映像との融合が非常にスムーズに流れ、より一層の臨場感と感動を味わえた。
