Hoshiduru

シンプル・シモンのHoshiduruのレビュー・感想・評価

シンプル・シモン(2010年製作の映画)
4.5
めちゃくちゃ良かった〜観てる間は色々な感情に胸がきゅうってなってたけど、最終的に胸を締め付けたのは愛しさだった。

分化する前は誰もが持っていたようなあの世界が、全く縮小することなく守られ続けてるっていうことにもう大きな愛を感じたんだけど、同時に、ASDでない彼が見えないのも確かで。圧倒的に正しいはずなのに、理解あるはずなのに、どこか寂しかったなあ。
そういう意味では、兄の元カノの気持ち全然分かるよ〜というか、あれが普通だろうなあと思う。あそこの家族は、家族で閉じこもっちゃってたからなあ。

素敵な人と出会うこと、交流すること、(恋愛とか関係なく純粋に)人を好きになることのすばらしさや素敵さが、見事に描かれていて、ため息ついちゃう。
あー、違う人に触れるって、世界を広げるってことだった〜!ってあの瞬間の感動やら何やらを全部思い出して「出会いて〜〜!」ってなった。自分が見つけられなかったきらめきを教えてくれるんだよね。
彼女は日常のときめきを見つけるのが上手いんだなってお部屋見て思った。てかみんなお部屋可愛かったな〜。

だから最後、みんながみんなを大切だと思って愛する、完璧な方程式がこれで出来上がったんだなあって納得したし、それってすっごく素敵なことだなって、彼らがその素敵さを知ってるんだろうなって思って、それが最高に幸せだった。

映画の感想をノートに書き始める何年も前から、ずっとずっと観たくて、観たすぎてちょっと避けてて、今回折角1000本目だし…って謎の記念で勇気出して見たけど、今でよかったなって心から思った。シモンの気持ちも分かるし、シモンを愛したい気持ちも分かるし、シモンを愛せない気持ちも分かる。今までのこの10年だったらきっとそのうちのどれか一つにしかなれなくて、たぶん凄く辛かったろうなって思う。

あと久々に借りたDVDのメニュー欄が可愛くて、懐かしさと新鮮なときめきを得られたのも、とてもよい体験でした。
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