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007 スペクターのNTのネタバレレビュー・内容・結末

007 スペクター(2015年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

娯楽作品としてのレベルはとても高いと思います。サムスミスの主題歌も、トーマスニューマンの音楽も最高ですし、アストンマーチンの気合の入れ方と言ったら前代未聞なレベルです。

しかし、大好きなシリーズで期待も大きかっただけに、今回は少し期待はずれでした。


007シリーズは全て見ていて大ファンです。
前作のSKYFALLは過去作のオマージュがたっぷりで、生まれ変わったボンドが今の時代に帰ってきたと強く感じました。

しかし今回は、なんだろう…オマージュのレベルが低いと感じました。
確かに往年の007が好きな方はニヤリとする場面やキャラクター、小道具が沢山出てきます。しかし、これを今やる意味はあるのかと言うのが最大の疑問でした。

たとえば「ジュラシックワールド」では、20年前の「ジュラシックパーク」でジョンハモンドが実現できなかった未来を描き、「パーク」ファンへのオマージュも盛り沢山でしたが、これは20年というブランクを経て、もう一度アレが映画館に帰ってきた!という感動を伴っていたと思います。

しかし007は定期的に新作が公開されます。
表面的に、筋書きもロケーションもキャラも小道具も、古き良きボンドをなぞっただけで目新しさが全くありません。
それがイギリスらしいと言えばそれまでですが、昔のボンドが見たいのなら私は旧作を見ます。

もし昔のボンドを復活させたいのなら、表面を撫でるような事はせずに、当時公開された時に世間に与えた影響や、新しい価値観の提供、数々のスパイ映画の元祖になるような作品をもう一度目指すべきだと強く感じます。
今の時代に、もう一度本当の意味でボンドを蘇らせて欲しい。
その願いをこめて次作に期待いたします。

好きすぎてつい辛辣になってしまいますが、007シリーズを愛してます。
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