イスケ

マッドマックス 怒りのデス・ロードのイスケのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

行って帰ってくるだけなのに最高の映画。

マッドマックスとベイブで飯を食ってる(失礼!)ジョージ・ミラーが、あのカルト映画をしっかり今風の面白いものにアップデートしてきたことに感銘を受けた。

どことなく、インドのエンタメ大作感もありますよね。基本は脳死で見てるだけでも十分過ぎるほど楽しい。
火炎放射器ギタリストとか発想が狂ってる。


回り道して、結局すぐそばにあるものを目指す。
これが人生訓ぽくて好き。

人生も歳を重ねてから過去を振り返ると、「随分まわり道したなぁ」なんて思うこともあるけど、その経験があったから、好きなもの嫌いなもの、本当の自分を知れる。
背伸びをしたから、許容範囲や価値観が広がることもある。結局、今はそこに向っていなくても。

「行って帰ってくる」という所に大切なことが込められていて、この道中の経験がなければ、ラストで僕らが見た未来はこの先も訪れなかったのだと思う。


とりわけ、ニュークスの存在が良かった。
最後の「俺を見ろ」こそ、生きてる人間の言葉だよ。

例えるなら、宗教団体の中で生まれ育って、初めて外部の人間に触れることで、人間らしさを知ったような。
力関係が一方的な忠誠心や信仰ではなく、お互いが平等である愛の芽を感じたから、急激に変わることができたんだろうな。


フュリオサが緑の地が朽ちてしまったことを知り、塩の湖を渡るを決断をしたことにマックスは同意しなかった。
この時のフュリオサの判断が素晴らしいんだ。

特に何も言わず、マックスの考えを尊重する。
ここに、この作品のメインテーマであろう女性搾取に対しての意志の強さを感じた。
頼ることだってできたはず。でも頼らなかった。尊重というのは対等であることの証だよね。

そうなってくると、マッドマックス2で登場した石油精製所のリーダー・パッパガーロは小物だったなぁと思う。


後から知ったけど、イモータンって、トーカッターを演じてた人なんだね。さすがに分からんわw
イスケ

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