序盤の導入から内向的少女の病みアピールなので、ジブリなのに意外にこんな重いテーマなのかと驚いたが、こういうの嫌いじゃないので、期待が膨らみつつ見進めた。
被害妄想から、周囲の人の善意さえ気づかずに無愛想で、時には人を傷つけてしまう。でぶっちょぶた言ってしまうのも酷いが、激昂することなく受け止めるでぶっちょぶたのやや大人な対応が素晴らしい。
ヒサコさんやサヤカちゃんなど、主要人物の人間性があまり見えなかったのは残念。このふたりがもっと杏奈に絡んできてもいいと思う。でぶっちょぶたには心開けないのに、なんでサヤカちゃんにはそんな簡単に心の壁を除くことができるのか、もっと丁寧に描いてほしかった。
一言も発しない船頭のオジサンはミステリアスでアリながら、結局たいしたこと無い役回りだったような。
受け入れ先に、おじちゃんおばちゃんは一貫しておおらかで素敵。
<以下ややネタバレ>
ちょくちょく百合っぽさを匂わせる場面があるが、最後のマーリーと杏奈の関係が明確になった時、百合っぽくしちゃダメな関係性でしょう、と、後味悪い感じがした。