このレビューはネタバレを含みます
トメを支える脇の女優陣たちが素晴らしかった、無様っぷりが見事なお母さん、ちゃんと快楽に負けるフミエ(宮下順子さま、初エンカウント、あんたが大将。)
母やフミエのように男のためではなく、トメは自分のために自分を売る。自分が生きていくため。
「抗いたい」と言っていたトメが、ちきしょう、ちきしょう、と唇を噛む場面は同じように悔しかった。だから、最後、ゴミ人形としてこの街で生きていくようになったトメを見て、唐突に突き放されたような気になった。
なのに音楽は凄くポップで、その違和感に置いてけぼりにされたまま物語が終わってしまった。
全体的に漂う、どこにも行けない閉塞感のなかにしれっと笑いどころを入れてくる演出が他になくて凄い。やり切りすぎるとコメディになるのかな?最後の場面の開脚立ちとかもそうだし。
あとはトメが前いた店の女将みたいな人に頭掴まれて酒かけられた後にもんじゃの具?ぶっかけられるところとか、女将の策略で、真珠男に殴られまくった後に店行って胸元に貼ってたガーゼを酒瓶にバチィン!て貼り付ける→横にいたおっちゃんに一杯引っ掛ける時のテンポ感とか
フミエの彼氏が空気人形渡されたあとにギターのギュィーーーンッ!!!て音が入ってそっからシュールMVみたいな街ブラ映像が始まる場面とか。
でもなんか悲しくて綺麗な場面がいくつかあってそのたびなぜか泣いた トメが弟の頭を撫でる場面の眼差しと、屋上で男と「目逸らした方がきしょいやん」て笑い合う場面
急にカラーになったとき、真っ赤な金魚とかでは気付かなくてトメの体見てやっとカラーだって認識できた カラーだって気付いたというより、今までがカラーじゃなかったって気付くくらい見入ってた
弟と鶏の場面はただただしんどかった。