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天使のはらわた 赤い淫画のdaiyuukiのネタバレレビュー・内容・結末

天使のはらわた 赤い淫画(1981年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

デパートに勤める名美(泉じゅん)は、友人からバイトを紹介され、適当に遊ぶ彼女は軽い気持ちで応じた。
しかし、仕事はビニ本のモデルで、名美はカメラマンに強引に裸にされてしまう。「赤い淫画」と題されたそのビニ本は大ヒット、彼女のアパートに変な電話がかかったり、不審な男につけられるようになった。モデルになったことで、見知らぬ男たちにつけ回される恐怖が彼女を包んだ。
やがて、上司の阿川と情事を続ける名美は、奥さんにバレて別れさせられ、ビニ本が会社で話題になって辞めさせられてしまった。
数日後、健三(阿部雅彦)という男から名美に電話が入った。健三はビニ本の名美に魅せられ、彼女を追っていたのだ。
必死に想いをうちあげる健三に、堕ちていく予感を抱きながらも、翌日のデートを約束した。男は皆同じ、もう一度、騙されついでにと、健三に賭けたのだ。
約束の日、健三の隣の家の娘が暴漢に襲われ殺された。その辺は下着泥棒や暴漢が出没し、娘の父は健三を殺人犯と疑い、猟銃を発砲した。
一方、名美は約束の時間を過ぎても健三を待っていた。「若い男が血だらけで死んでいる」と行き交う人の話を耳にしながら名美は帰ろうとしたとき、傷口を押え、苦しそうに立っている健三を見つけた。
ニッと笑う健三に、名美は安心すると同時に、涙がとめどなく流れてきた。
石井隆の原作による代表作「天使のはらわた」シリーズの一作。
石井隆自身による脚本は、男のズルさや欲望に傷つけられながら純粋な愛を求める名美の一途さやぜんそくなどが原因で上手く世の中を渡っていけず名美にすがる村木の弱さと健気さを丁寧に描かれていて見る者を揺さぶる。
池田監督は、石井隆監督作ほどではないけど、スタイリッシュでシャープな映像美で、惹き付ける。
村木に再会する時の名美の笑顔と結ばなかった愛は、儚いけど、それ故に美しく惹き付けて離さない。ロマンポルノの傑作の一つ。
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