朝、目覚めると真っ先に放射能測定器に手が伸びる。線量をチェックしなければ一日が始まらない―――。福島の原発事故以来、ごく普通の生活を奪われてしまった人々の日常である。彼らを含め、全国から集まった17人の市民が向かったのはチェルノブイリ原子力発電所だった。現在、解体作業中の制御室にカメラが潜入し、放射能がもたらした被害を捉えた。 21世紀最大の災禍といわれた東京電力福島第一原発事故から2年が経った頃、日本では依然として日々増幅される不安と恐怖から逃れられない生活が続いていた。 イ・ホンギ監督は、放射能の被害は日本だけが抱え込まなければいけない問題ではないという。その後遺症は今もなお続いており、いちばん恐ろしいことはいつ終わるのかまったく予測がつかないということである。韓国の国会での上映に始まり、韓国全土で時を同じくして上映され、反響を呼んだ話題作がついに日本で公開される。
映画「福島の未来 0.23μSv」より