うかりシネマ

猿の惑星:新世紀(ライジング)のうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

『創世記』から10年、ALZ-113の感染拡大により、感染者だけで1億人が死亡し、二次被害や暴動、発電施設の停止などにより、人類は絶滅の危機に瀕していた。一方、シーザーは森の中にコロニーを作り、エイプを家族として統率していた。
不可侵だった両者が交わり、猿と人間の戦争が始まるまでを描く。

前作とは異なりドラマ性は少なく、アクションを見せるものとなっている。
結局のところ開戦のきっかけを作ったのはコバの謀反でしかなく、前作のようにやむを得ぬまま進み続ける葛藤もなく、途中からは何を観ているんだろうという気持ちになってしまう。
そこに自覚的なので猿の大軍によるアクションは面白いし、旧作BGMを使うことで盛り上げてくれる。

シーザーとコバの決着こそ前作ラストを踏襲しているものの、“許し”のモチーフであったり旧作のオマージュのようなものはなく、ただ物語を進めただけ。
非人間メインにありがちではあるが、主役を交代させたのに結局主人公のパーソナリティを前作主人公と同じものにしてしまうのもどうしようもない。シーザーの家族とも重なりそうで重ならない。
メタファーもなく、中身がないのなら戦争が終わるまでを描くわけでもなく、“三部作の繋ぎ”感が強い。前作が旧シリーズとかけ離れた内容だっただけに接続を期待したが、いまだに一作目とも結びつかず、かといって単体でそこまで面白いわけでもなく。大規模な戦争の片方を猿にしただけ。

2014年の大作映画ということで、1カットだけだが中国要素があるのが時代を感じさせる。