中学生日記 ハードコア篇。
宮部みゆき原作なので覚悟が必要かと思いきや、まっすぐな中学生が主人公なので青春エンターテイメントとして楽しめる佳作。
ただし闇は深く、ある中学生の死を巡る周りの人間のイジメ、家庭環境はダーク。特に大人の無理解と保守的な日和見は共感と嫌悪が混濁し、個人的に心に刺さった。
しかし、途中から真っ直ぐな魂が示す光に照らされて道が開けた時、こちらの心も洗われだす。とってもクサい展開なのだが、前半のダークさと衝撃的なシーンのおかげで変なバランスが保たれる。
実際の事件と似通っていてマスコミの対応など、本当にこうなのかもしれないと思わせるリアル感がある。最近、よく似た事件が記憶にあり、それも親子関係がマスコミに取沙汰されていて、吐き気を覚えるほど重ねてしまった。
しかし最高に瑞々しい演技を目線で披露してくれるヒロインの真っ直ぐな眼差しと、周囲のカッコ良すぎる同級生のクサい演技のおかげで正気を保てた。
ミステリー自体は弱いのだが、心の機微を捉えた次作へのクリフハンガーも含めて、ニクいくらいに心を掴まれた。
怒涛の後編、どれほどの中学生日記ムーヴをするのか、心から楽しみである。
