みよ

ファイ 悪魔に育てられた少年のみよのレビュー・感想・評価

3.7
物心つくかつかないかくらいの幼い頃に誘拐され、犯人である犯罪グループの“5人の父親”に育てられた少年ファイ。やがて思春期になり、学校に通う代わりにあらゆる殺人術を教え込まれた彼が連れて行かれた犯行現場で取り返しのつかない残酷な真実を知ることに…。
「チェイサー」のキム・ユンソクの顔面力が気になったので鑑賞。でしたがそれとは関係なく予想以上にめちゃくちゃ好みの作品でした。
誘拐したはいいものの、身代金の受け渡しに失敗してしまい、じゃあ育てるかってことで狙撃、運転技術、武術なんかを教えていくうちに犯人たちにも情がわいてしまうんですよね。犯罪集団といえど父親たちが見せるファイへの愛情がすごく伝わってくるし、ファイも1点を除いては幸せそうではある。それがラストに向かうにつれ、切ない展開になっていくのがたまらない。この男たちがなぜ犯罪集団となったか徐々に明らかになっていくサスペンス要素もよかったです。
アクションシーンもさすが韓国映画って感じ。後半、真実を知ったファイが復讐していくのですが教え込まれた殺人術を繰り出してくる狙撃シーンやカーアクションが秀逸。教えた側の親たちもやられながらどこか誇らしげなのが印象的。
宿命に翻弄されていく”家族”に、血のつながりなのか、過ごした時間なのか、家族っていったいなんなのか、考えさせられる。刺激的なんだけど、どこか暖かい気持ちになれる物語でした。
みよ

みよ