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ファイ 悪魔に育てられた少年のmのレビュー・感想・評価

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祝キム・ユンソク来日決定という事で。ダーク版「オー!ファーザー」的な物語を韓国映画界が流石の安定したクオリティで映画化。

前半でファイ君と父親達との関係性があまり深く描かれない為、何故ソクテがファイ君に手を汚させようとするのか、ファイ君の父親達への愛情がどれほどか、が最後の方まで伝わらないのは残念。あのエンドロールの絵のようなシーンを序盤にもってくれば良かったのにと思う。

後半から一気に爆発し始めるバイオレンス・アクションもザ韓国映画!という感じの迫力で良いのだけど(田舎軽トラカーチェイスも熱気がある)、前半でファイ君のスキルがスナイピングと運転しか描写されない為、病室での彼のファイト・スキルの爆発が唐突に思える(でもあのアクションは好き)。

『息子』想いの吃音の『父親』も女性相手の話をする所が笑えないくらい下品なのでちょっと引いてしまう。あと吃音の人は自分が吃っている事の自覚は必ずあると思う。



ファイ君役のヨ・ジングが素晴らしい(彼はこの監督と「1987」でも再度組んでいますね)。救い難い鬼畜ながら哀しみも最後に見せるソクテ役のキム・ユンソクはやはり重い迫力がある。あの家で暮らしてきた女性役の方も良かったし、彼女に対して優しい結末なのも安心した。


男尊女卑がかなりキツいなと思ったが、そうした男尊女卑濃厚な家父長制から若者が脱出するという構図とも捉えられた。
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