スズタカ

ペレ 伝説の誕生のスズタカのレビュー・感想・評価

ペレ 伝説の誕生(2014年製作の映画)
3.8
随分、以前に観賞しましたが、考えがまとまらず、ようやく感想を書きます。

サッカー選手である、ペレの少年期から、青年期のW杯デビュー迄を描いています。

ワクワクさせてくれる、魅力的なシーンや展開に溢れていて、娯楽作品として、とても素晴らしいと思いました。

特に、少年期の仲間たちとの瑞々しく眩しいような描き方が、とても良いんです。

ただ、感想を書きあぐねていたには、それなりに理由があります。

おーっ!最高に楽しいじゃん!なんて思いつつ、何か引っかかっていました。

どうしても、諸手を挙げて喜べない、気がかりな点がありまして…それは描かれている内容と、その製作陣のことです。

と、言っても何のこと?と感じられるかと思うのですが、この映画、ペレの事を描きつつ、本質のメッセージとして描かれているのは、ナショナリズムを通じて自分を信じることなんです。

だからこそ、誰もが自分に置き換えて共感できる素晴らしさなのですが…。

つまり、この映画では、ブラジルの英雄ペレを、ブラジルのナショナリズムを通して描いているんです。

で、ココで俺は引っかかりました。あれ?これ、アメリカ映画だよな…。監督もアメリカ人だな…。それで、ブラジルの英雄とブラジルのナショナリズムを描いているのか…。

ナショナリズムって、他国が触れるべきではないような気がします。

例えばですが、タイムリーなところで、イチロー選手の映画が作られるとして、主演が日本人でロケ地が日本であったとしても、他国の製作で監督も他国の人。しかも、描かれているメッセージが、日本のナショナリズムや誇り、その魂の大切さだったらどうでしょうか?何か、嫌じゃないですか?

娯楽として本当に素晴らしい映画なので、こんなことを敢えて言うのは不粋かもしれないし、了見が狭いのかもしれないけれど、俺には、大切なことのように思います。

ブラジルの人達は、どう思っているのか、超・気になります…。

ただ、映画としては本当に楽しめますので、間違いなくお薦めです!
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