きゃん

ふしぎな岬の物語のきゃんのレビュー・感想・評価

ふしぎな岬の物語(2014年製作の映画)
3.2
岬の先にあるカフェの女主人と、そこに集う人々が織り成すドラマを描いた作品。里の住人たちが集う“岬カフェ”。店主の悦子がいれる1杯のコーヒーは、住人たちの心を軽く元気にする。ストーリーは淡々としているが、ゆったりとしていてほんわかした気分で見れる。

吉永小百合さんの魅力が詰まった作品。生き生きとした演技が素晴らしい。上品で美しくて大和撫子そのもの。今年で70歳になられたとは思えない美しさで、歳を重ねるごとに魅力が増すというのは女性にとって憧れです。

そんな吉永さんが演じられた悦子は、包み込むような笑顔で島の住人たちの相談に乗り、心の支えになっている。泥棒にまで優しくできるなんて心に余裕のある人なんだなと思ってみていたが、
話が進んでいくにつれてそうでもないなと感じた。悦子や悦子のいれるコーヒーが人々の心の支えになっているのと同じように、住人たちの存在が悦子の支えとなり、悦子の抱えている孤独への恐怖を和らげてくれている。大切な人との別れ、親子愛、恋心、大切なものなどを通し、人は決して独りではない、支え合い寄り添いながら生きているということを感じさせてくれる。

一つひとつのエピソードは良いんだけど、それぞれのつながりが中途半端な気がしたのがちょっと残念。人と人とのつながりの温かさ、田舎でのスローライフのゆったりとした時間の流れを感じながら見られる作品。
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