舞台は上海、三浦春馬以外は全て中国人、セリフは殆ど中国語、「５分前」と「双子」がキーワードとなる恋愛ミステリー。舞台が日本である原作は未読だが、おそらく、もっとミステリー寄りでブラック寄りの内容なのだろうと思う。それを行定監督は恋愛＆ムーディー方向にスライドしているんだと思うが、舞台を上海に置き換えテンポを落としたのが奏功している。あの内容を日本で普通のテンポでやってしまったら、かなり陳腐なモノになっていただろう。個人的には、ややムードに流れ過ぎで、少々テンポがゆっくり過ぎな気がしないでも無いが、まあ、そこは人それぞれだろう。それにしても、こうして日中を（役者的には日中台を）さり気なく混ぜるやり方は良い。お馴染みの味なんだけど風味がちょっと違う料理を食べているようで、得した気分になる。
