ちろる

真夜中の五分前のちろるのレビュー・感想・評価

真夜中の五分前(2014年製作の映画)
3.8
行定勲監督による日中合作映画。
三浦春馬さん以外はみんな中国の俳優さん。
特に双子のルオランとルーメイを演じたリウ・シーシー、女神様ですか??
この作品の漂う独特な暗さは、好き嫌いあると思うけど、タイムスリップしたようなレトロな上海の街並みの映像が神秘的で一気に没入した。
タイトルに合わせて真夜中とか微睡む明け方に観て欲しい作品。
上海で時計屋で働くリョウ(三浦春馬)が、美しい双子のルオランとルーメイの謎の囚われていく様子が、敢えて閉塞感のある空気感で描かれていく。
リョウが日本人であり、中国語がはっきりと分からないという設定が、静かで繊細な緊張感のある独特なコミュニケーションという形で成立し、この神秘的なラブストーリーを魅力的に引き立てている気もした。
何も知らない日本人のリョウが死を意味するその意味も知らずにルオランに渡しルーメイへのギフトに選んだことから2人の奇妙な縁は繋がってしまった。
物語には「死」の香りが漂うものの、同時に崩壊寸前滅びの美も感じる。
何故にリョウは上海にいるのか?
そして、この世に残されたのはルオランなのか?ルーメイなのか?
ミステリーとして無駄に語りすぎる事もせず、始まりと同じテンションのままに静謐な雰囲気でまとめた雰囲気もとても好みで、ラストの展開を考えるとタイトルも秀逸。
誤解を恐れずに描くならこの送終作品の三浦春馬さんの作る空気感がある意味彼に近かったのかもしれないと思いました。
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