Maoryu002

天才スピヴェットのMaoryu002のレビュー・感想・評価

天才スピヴェット(2013年製作の映画)
4.1
モンタナに住み天才的な頭脳を持った10歳のスピヴェットは、永久運動機関の発明でワシントンDCのスミソニアンに招かれる。以前に事故で弟を亡くし、家族の中で孤独を感じていたスピヴェットは家出して一人で貨物車に乗る。そして受賞スピーチで自分の気持ちを語り始める。

「デリカテッセン」「エイリアン4」「アメリ」のジャン=ピエール・ジュネ監督らしい、奇抜で遊び心いっぱいの映像が楽しい、ファンタジーハートフルドラマ。

ありえないー!と言いたくなるような荒唐無稽な設定の中で、子供目線での空想世界と、大人の滑稽さが皮肉たっぷりに語られる。それが楽しくて、ずっと見ていたくなった。
映像美は「アメリ」に近いものがあるが、このセンスは天才的だ。

後半、見た目は冷静なスピヴェットの心の傷が見えてきて、“しっかりしろ、大人たち!”と叫びたくなるが、最後はしっかり家族が再生して、この上ないハッピーエンドが嬉しかった。

風変わりな母親役のヘレナ・ボナム=カーターがこの世界観にピッタリ!
そして、きっと出てくるはずと思ってた、ジャン=ピエール・ジュネ作品の常連ドミニク・ピノンは、しっかりスピヴェットの心を導くような存在として姿を見せていて、なぜかホッとしてしまった。
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