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天才スピヴェットのkiritoのレビュー・感想・評価

天才スピヴェット(2013年製作の映画)
3.3
【不思議なお話】

話の軸としてはちょっとだけ重い話なんだけど、編集によって可愛く独特に作られていて技術的に印象に残る。
(飛び出す本のやつとか好き。)

そして、モンタナの大自然がまた目をひく。一度は自分の目で見てみたいな。
またカウボーイ好きのお父さんもあってか挿入のBGMも西部劇に使われそうな音楽もちょくちょく入ってる。

物語の半分はスピヴェットが我が家からワシントンに向かう道中に割かれている。
天才とはいえスピヴェットは10歳なので、子供の感情がよく描かれていると思う。
一人で旅に出た感動と後悔、家族に会えない一人の寂しさ。それゆえ旅の途中家族のことをよく思い出す。
他方で、旅の道中ではいろんな人と出会い、話をする中でスピヴェット自身が成長していく。

スピヴェットとしては『自分は家族に愛されていないんじゃないか。兄弟の方が自分より大切なんじゃないか。』って思ってるわけだけど、これって兄弟、姉妹がいる人なら誰しも一度は思うことだよね。
でも両親がそんな風に思ってるわけなんかなくて、ちゃんと最後にはハッピーエンドが待っている。

あと、この作品って劇中に出てくる大人があえてなんだろうけど、いろんなタイプを出してると思う。
利己的になってしまうところ、固定観念に囚われてしまうところ、自分が一番正しいと思ってしまうところ、それでも誰かを助けようと思うところ、こういう気持ちって少なからず大人になったら持ってるものだけど、こういう大人像をそれぞれの役者に極端に持たせてみて、10歳のスピヴェットと対比させたのかなぁ。

極端に感動するわけじゃないけど、家族の大切さを学ぶことができる作品。
カイル・キャトレットの演技◎
2015.7.16
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