秀ポン

インヒアレント・ヴァイスの秀ポンのレビュー・感想・評価

インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)
3.9
・ホアキンフェニックスのヒッピー探偵としての佇まいがめっちゃ良い。
出る映画出る映画で生きづらそうな雰囲気を発しているホアキンフェニックスだけど、この映画だと結構ふてぶてしく生きてる。
でもところどころで
「何で俺こんな場所にいるんだろう?何でこんなことになってるんだろう?」
と世界とのズレに途方に暮れてるような雰囲気を出していた。
『ボーは恐れている』でも感じたけど、彼のこの途方に暮れてる感じがめちゃくちゃ好き。
あと、嫌な感じのヒゲも良い。このヒゲが良しとされてたのってマジ?異常な時代だ。襟が花柄のシャツは良い。

・明るい空から雨が降る中、葉っぱを探して2人が裸足で走るシーンがめっちゃ良いんだけど、それが回想だってのが悲しい。
それどころか彼女を奪っていった大富豪すらももう抜け殻状態で、輝いていた日々もその喪失も何もかもがもう既に終わっている。

・タイトルの出し方がカッコ良い。ドラムのドンッに合わせてでかくてネオンサインっぽいタイトルロゴが主人公のバストアップの上に被さる。デカタイトルの派閥として、オブジェクトとして空間内に配置されるようなのも良いけど、上のレイヤーに書かれてるのも良い。
引きの絵にはオブジェクトタイトルが合うけど、バストアップくらい寄ってたら別レイヤーの方が合う。(合うってか、上のレイヤーに書かないとタイトルが読めない)
あと、オブジェクトタイトルにはごっついロゴが合うけど、別レイヤーの場合は多分何でもいける。

・赤ちゃんの写真を見せられての「ウワァーーーッ!!!!」と、その後の「Uh huh」が面白い。
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