Vincent

インヒアレント・ヴァイスのVincentのレビュー・感想・評価

インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)
4.3
久々にPTアンダーソン監督を🎬

『インヒアレント・ヴァイス』の意味は【内在する欠陥】。
海上保険用語で"避けられない危険"を指している…ガラスは割れる、チョコは溶ける等。
ふむふむ、なるほど。

で、ストーリーは……
70年アメリカ、ヒッピー探偵のドッグ(Jフェニックス)のもとに元恋人のシャスタ(Kウォーターストン)が訪れる。不動産王の愛人となっているシャスタだが、その不動産王の妻とその愛人から財産を狙われており、深刻な危機が迫っていると話す。
元恋人であるシャスタの事が忘れられないドッグは助けるため不動産王ミッキーウルフマンの調査を開始するのだが…

なかなか面白そうな始まりだが、大抵の人は開始30分くらいで寝そうになるハズ💦

何が起きてるのか、何が目的なのかがよく分からなくなってくるのだ。
さらに登場人物が増えてくるので、これって誰?とか名前だけ出てきて??ってなるシーンが続出してくる。

眠気を取り除き、気を取り直して頑張ると、その褒美のように、何となく面白くなってくるのと、この雰囲気が魅力的に思えてくる。

今作はアメリカの現代文学を代表する作家トマス・ピンチョンの『LAヴァイス』が原作。
なるほど途中途中のナレーションが実に文学的だ。何かに似てるなぁとずっと思ってたけど、昔読んだ『ライ麦畑で捕まえて』に似てる感じ。
どこかペラペラと好き勝手にしゃべり、話の焦点が定まらない感じ。

『ライ麦畑でつかまえて』も途中挫折しそうになったけど、頑張ってたら不思議と魅力が分かったような気になる作品で、今作も同様。
見ていくうちに、なんだか素敵な映像に個性的な登場人物。文学的オシャレさ。主人公ドッグの孤独さや当時(60〜70年代の米国社会)の文化など色々分かった気になる。

結論、こんな作品撮れるPTアンダーソンはやっぱり凄い。
おぼろげながら魅力的な作品。
登場人物豪華!
数年後にまた観よう!
Vincent

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