佐藤でした

アントマンの佐藤でしたのレビュー・感想・評価

アントマン(2015年製作の映画)
4.5
身体縮小スーツを開発したハンク・ピム博士は、研究を共にしてきた愛弟子ダレン・クロスに、その技術と会社そのものを略奪される危機に陥っていた。しかも軍事力として悪用されるプロジェクトが進行中。

一方、前科があり就職もままならず、養育費が払えなければ娘とも会えないスコット・ラングは、元の鞘に戻り仲間内でまたしても強盗を目論む。しかしこの男、侵入時のテクニックだけは一流。精密な指紋認証も解除できるし、今回の強盗の目的であった旧式の金庫も開錠してしまった。

が、まぁこの金庫はピム博士による罠。侵入技術に長けた(=アントマンにぴったりの素質を持つ) スコットを手招くために、わざと邸宅のセキュリティーを緩めておいたのだ。はい、まんまとアントマンの誕生です!


…と、そうトントン拍子にはいかない。ビビリな男をイチから鍛えるところから始まります。だるだるの肉体を改造し、縮小スーツの使い方をマスターし、これから部下として従ってもらうアリ達の生態について学ぶのだ。

この成長過程になかなか尺を割くのには少し驚いたけど。フェイズ2の大事な締めくくりとて、初登場だから仕方がないってものか。思えばキャプテンもアイアンマンも、みんなそうでしたね。

そしてMCUシリーズとの絡め方も面白い。「アベンジャーズ」や「トニー・スターク」の名は会話の中にだけ登場し、サラッとクロスオーバーするという。ニクい!

そして見所はやはり、縮小する主人公の目に映る世界観!縮小された時に活用すべき物や、はたまた拡大して初めて力を発揮するアイテムが散りばめられていて、うなる!アイデア盛り盛り!

しかも家族モノとして見てもこの映画は素晴らしい。ダラしのない実父と、世界一大切な愛娘キャシーと、現在の継父との複雑な三角関係も、巧妙にハートフルに収められていました。

アリのヒーローかい!っていう意外性からの正統な英雄性、男のギャップにズキュンとくる傑作ヒーロー映画でした。
佐藤でした

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