もちお

リトル・フォレスト 冬・春のもちおのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

 初鑑賞です。

 前作『夏・秋』は鑑賞済みです。
 レビューも投稿させていただきました。

 本作ですが、とても良かったです。
 私は前作でリトル・フォレストに魅了されました。主人公いち子さんへの思い入れができあがった状態で、本作「冬・春」を鑑賞しました。
 そのため、本作の方がより楽しめました😊

①良かったところ
・きつい描写が比較的多い
 観ていて悲しくなる場面が前作よりも多い印象です。
 お母さんが家を出る流れがしんどかったです。
 砂糖が切れて、お母さんの中で何かが限界を迎えてしまったのかなと思います。印象的な場面でした😢
 いち子さんが帰宅すると、お母さんはもういないという状況も悲しかったです。
 お弁当のエピソードもつらかったですね。
 仲良く食べているのかと思ったら妄想だったという場面。そして、手編みのマフラーを馬鹿にする男性。
 その後に語られるいじめの話も相まって、胸が苦しくなりました。
 では、本作が悲しい映画かというと、そうではないと思います。

・いち子さんとお母さんの関係性
 いち子さんがお母さんと明確に和解したわけではありません。
 お母さんからの手紙や日々の生活の中で、いち子さんが吹っ切れたのかなという印象です。
 このサッパリとした着地が良かったです。家族の距離感として現実的な描き方だと思いました。

・お母さんからの手紙
 いち子さんが吹っ切れる契機となった手紙。
 その中で螺旋の話が出てきます。
 いい話でした。
 同じことの繰り返しに見えても、少しずつ前か後ろに進んでいる。できれば、螺旋の円を大きくしながら前進していきたい。
 とても堅実なメッセージだと思います。

・ラストが爽やか
 いち子さんは、逃げ場としてではなく、前向きな気持ちで小森に帰ってきました。
 感動しました。
 最後の神楽も良かったです。

・いち子さんの語りがやはり素敵
 前作のレビューでも書きましたが、良かったです。
 エッセイを読んでいる感覚がありました。心地よかったです。

・食べることの有り難さ
 前作に引き続き、食の有り難さが伝わりました。
 作物の育て方や調理方法が大変興味深かったです。
 とても美味しそうでした😊

②その他印象的な点
・冬はつらいことばかりではない
 キッコさんの発言にもありましたが、冬だからこそ楽しめる作物や料理がありますよね。

・いち子さんとキッコさんの喧嘩
 仲が良いからこそ言い過ぎてしまうことがあると思います。
 仲直りの過程が良かったです。
 カレーが美味しそうでした😄

・キッコさんのおじいちゃんからの説教
 良かったです。
 悪口ばかり言っていても仕方ないですよね。

・条件反射でモンシロチョウを殺すお母さん

③まとめ
 とてもいい映画でした。
 前作と合わせて、好きな作品です。
 季節が巡るのと同じように、繰り返し観る予感がします😊
もちお

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