このレビューはネタバレを含みます
初鑑賞です。
前作『夏・秋』は鑑賞済みです。
レビューも投稿させていただきました。
本作ですが、とても良かったです。
私は前作でリトル・フォレストに魅了されました。主人公いち子さんへの思い入れができあがった状態で、本作「冬・春」を鑑賞しました。
そのため、本作の方がより楽しめました😊
①良かったところ
・きつい描写が比較的多い
観ていて悲しくなる場面が前作よりも多い印象です。
お母さんが家を出る流れがしんどかったです。
砂糖が切れて、お母さんの中で何かが限界を迎えてしまったのかなと思います。印象的な場面でした😢
いち子さんが帰宅すると、お母さんはもういないという状況も悲しかったです。
お弁当のエピソードもつらかったですね。
仲良く食べているのかと思ったら妄想だったという場面。そして、手編みのマフラーを馬鹿にする男性。
その後に語られるいじめの話も相まって、胸が苦しくなりました。
では、本作が悲しい映画かというと、そうではないと思います。
・いち子さんとお母さんの関係性
いち子さんがお母さんと明確に和解したわけではありません。
お母さんからの手紙や日々の生活の中で、いち子さんが吹っ切れたのかなという印象です。
このサッパリとした着地が良かったです。家族の距離感として現実的な描き方だと思いました。
・お母さんからの手紙
いち子さんが吹っ切れる契機となった手紙。
その中で螺旋の話が出てきます。
いい話でした。
同じことの繰り返しに見えても、少しずつ前か後ろに進んでいる。できれば、螺旋の円を大きくしながら前進していきたい。
とても堅実なメッセージだと思います。
・ラストが爽やか
いち子さんは、逃げ場としてではなく、前向きな気持ちで小森に帰ってきました。
感動しました。
最後の神楽も良かったです。
・いち子さんの語りがやはり素敵
前作のレビューでも書きましたが、良かったです。
エッセイを読んでいる感覚がありました。心地よかったです。
・食べることの有り難さ
前作に引き続き、食の有り難さが伝わりました。
作物の育て方や調理方法が大変興味深かったです。
とても美味しそうでした😊
②その他印象的な点
・冬はつらいことばかりではない
キッコさんの発言にもありましたが、冬だからこそ楽しめる作物や料理がありますよね。
・いち子さんとキッコさんの喧嘩
仲が良いからこそ言い過ぎてしまうことがあると思います。
仲直りの過程が良かったです。
カレーが美味しそうでした😄
・キッコさんのおじいちゃんからの説教
良かったです。
悪口ばかり言っていても仕方ないですよね。
・条件反射でモンシロチョウを殺すお母さん
③まとめ
とてもいい映画でした。
前作と合わせて、好きな作品です。
季節が巡るのと同じように、繰り返し観る予感がします😊