灰

リトル・フォレスト 冬・春の灰のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

前作の感想でも「ある種のドキュメンタリー」と書いたけど、彼女の1年を垣間見たあとでも、感想は変わらなかった。
いい意味でストーリー性が無いのが魅力だと感じている。母親が消えた理由も突然手紙を寄越したその後も、何も知ることはなく、けれどそれが福子の「生活」なのだ。
世の中、「なんだかよくわかんないけどそのまま」ということ、数え切れないほどある。そうやって折り合いをつけていくことも一つの経験なのかなと思った。

また、ユウタが福子に「中途半端な気持ちで村に居られても困る」的なことを発言したのには驚いた。人が少ない村の、貴重な若人に「覚悟がないなら居ないほうがいい」と言い切れるのはすごい。彼は一貫してていいですね。キッコと結ばれたことには驚いたけど、登場人物の少なさ、あるいは村の現状、残された若い二人が結ばれるのは当然だったのだろうね。
「外で婿さん見つけてきた」という発言も田舎らしいなと思った。福子の最終的な居場所が小森だったというだけで、そういうつもりでは無かったのだろうけど、そんな感じの解釈されがちだよね田舎。(主語デカい)

橋本愛さん、この撮影大変だったろうなあ。
どこかで見た当日のインタビュー、「私は便利な所(東京)で過ごしているのでリトルフォレストのような生活は難しいです」とキッパリ言い切っていて、痺れたなあ。
優柔不断で決めきれない福子の役と離れた位置にいる橋本さんだけど、福子に寄り添う演技、良かった。
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