クリーム

ヴィオレッタのクリームのレビュー・感想・評価

ヴィオレッタ(2011年製作の映画)
3.7
これは撮影当時10歳だったというアナマリア·ヴァルトロメイが本当に美しい。何処までが芸術か?幼児虐待か?と言う重いテーマなのだが、映画内で撮影されるヴィオレッタはアートの様に完璧な美に見えてしまい、私自身、罪悪感を覚えます。でもホント綺麗。そして、歪んでいる母をユペール様がこれまた完璧に演じています。ぴったりの役でした。
5歳から13歳まで写真家の母の被写体となったエヴァ·イオネスコ監督自身の話。子供の頃、母からヌード写真を撮られ、売られた。 2012年には母親相手に子供時代を奪われたとして裁判を起こし、勝訴しています。
写真家として忙しい母と一緒にいたくて母の写真の被写体になったヴィオレッタ。母の要求はエスカレートし、ヌードを撮るようになる。少女のヌード写真は、芸術作品として一世を風靡するが、これで幼児虐待の疑いをかけられ、母娘の関係に亀裂が入るのだった。



ネタバレ↓



友達の家に行ったら、その母親にあなた有名人よねと言われ、自分のヌード写真が載った雑誌を渡されるヴィオレッタの辛さ。これは心が抉られる。
母にシド·ヴィシャスとの撮影で脱げと言われ、限界に達したヴィオレッタはもうモデルをやりたくないと抵抗します。
ヴィオレッタは、母がカウンセリングのために録っていた録音で、母が祖母と曾祖父との娘だと知ってしまう。 ヴィオレッタは学校では娼婦といじめられ、居場所がなく不登校になり、非行に走ります。 路上でひったくりをして施設に入り、非行少女達と生活するうちに笑顔を取り戻しますが、 母が面会に来ると、ヴィオレッタは森へ走り出し逃げるのでした。
全ての元凶は曾祖父にあります。だからって、アンナが自分の娘を売り物にする事は許されない。
イリナのエヴァの写真集は、今でもファンがいて写真集として残ってる。被害者としては耐え難く、実の母に裁判を起こす程、傷付いた出来事だった。二度と同じことがあってはならないと思います。
シド·ヴィシャスのくだりの信憑性は、良く解らなかった。まあ、薬物中毒だから、ラリってれば何でもしたと思うが。
クリーム

クリーム