いや~、これは上質のドラマ♪
美しい港町リスボンにて、老いぼれた教授と、かつての独裁政権下時代のレジスタンスの運命が交錯
一冊の本をキッカケとして、観客を映画の世界に滑り込ませる言葉と風景の丁寧な描写が活きていて、「偶然」から発する「永遠のはじまり」のサスペンス性に惹き込まれました・・・
それを構築するのは
思考(選択)と、行動
メガネのレンズ
たばこの銘柄
衣服
人々
選択を繰り返して、教授は1冊の本の歴史を紐解く・・・
出会い、導かれ、共に行動を起こしたかつての同志
この世に100冊しか存在しないその本に描かれた若者の運命は、当時の怒涛の時代における、ほんの小さな片鱗に過ぎないのかもしれない
そして、その運命の行き着く先が、たとえ裏切りや、叶わぬ恋だとしても、現代に生きる年老いた男の心をグッと捉えるのは、彼らの実直さと、己を信じて疑わない強い精神力が、それを突き動かしたからだろう
後悔や、諦めという文字が絡み付く、二つの世界
首元に纏わり付く「白いリボン」
「限界」(=死)が近づいても、「永遠」は自分の手に託されていることを、この映画は最後に強く訴えかけてくるのです・・・
生きている限り、選択の余地は、あるんだということを
そして、そこに
「永遠への帰着」の可能性が、あるんだということを
緻密に絡み合ってゆくドラマにすっかり魅了された!
役者の魅力はもちろん、時間と場所を前後しながらも、複雑すぎない展開のさせ方が非常に上手かったと思います♪