谷ナオミの作品も残す所、あと僅か。
後期の作品として、彼女の魅力以上に、神代演出に弄ばれる谷の有り様が可笑しい。
彼女の代表作であり、ロマンポルノ屈指の傑作『黒薔薇昇天』(75)のコンビだけのことはある。
巨チチを震わせるピンサロ騒乱のトップシーンから、何故か主役がオカマに目覚めるサラリーマンの破天荒な生き様へとシフトし、悍ましい展開へと変貌する。
神代は一筋縄ではいかない、欲情もしない。
観てしまった・・・と言うある種の悦びを齎す。
『赫い髪の女』(79)の宮下順子と共に、谷とのタッグももっと評価されるべきだろうし、『黒薔薇昇天』あっての、本作の狂乱振りである。