カラスの飼育のジジイのレビュー・感想・評価

1975年のスペイン映画。72年の「ミツバチのささやき」の二番煎じだろうと思い込んで長らくスルーしていたが、とんでもなかった。タイトルはせっかくカラスを育てても眼をえぐられるのがオチ、という「恩を仇で返す」みたいな意味である。三姉妹の次女アナは幼くして母を病気で亡くすが、そのことで軍人の父を憎むようになり…という物語。天使のような少女の無垢な美しさとその内面に潜む残酷さの対比が素晴らしい。何よりジェラルディンチャップリンとアナトレント母娘の何気ないツーショットの破壊力は凄まじい。