ジョン・タトゥーロの監督・脚本・主演、そして(かの)ウディ・アレンを相棒役にした2014年のラブコメディ映画。
今にも潰れそうなブルックリンの書店主(ウディ・アレン)が、花屋を営む友人(ジョン・タトゥーロ)をジゴロに仕立て、男娼ビジネスを始めたところ、裕福な有閑マダムはたちまちメロメロに……というわけで、タイトル通り「NYのなんちゃってジゴロ」をめぐるドタバタが展開するわけだけど……「ジゴロ」って言えば聞こえはいいかもしれないが、実際のところは「男の売春」なわけであり、その仕掛け人が(かの)ウディ・アレンだという趣向を見て、モヤモヤしない映画ファンはそう多くないような……?
そもそも「ジゴロ」が相手にするマダムが、シャロン・ストーン演ずる女医とか、ヴァネッサ・パラディ(懐い!)扮する未亡人とか……美人すぎやしないか?
……といった具合で、リアリティは欠片もなく、ご都合主義的な話運びも含めて、引っかかるところがあまりない本作。ユダヤ人コミュニティの偏狭さが(薬味的に)描かれたりもするのだけれど、ウディの監督作ほど気が利いているわけでもない。
まあ、でも……テン年代は「このような企画でも成立したのだ」という記録としては、それなりに貴重なのかもしれない。90分でオチをつけてくれる潔さは、良し!