牧史郎

胎児が密猟する時の牧史郎のレビュー・感想・評価

胎児が密猟する時(1966年製作の映画)
1.5
正体は童貞を拗らせてしまった男性のルサンチマンを詰め込んで作りました…!っていうミソジニー映画なのに、小難しい理屈を並べ立てた台詞やそれっぽい編集によってアート映画のフリをしているという印象。女の人のメイクとか全然落ちないからリアリティもない。最後のてるてる坊主の歌とかも絶対歌わないよね。全てがモテない男の観念の産物でしかない。サディズムとマゾヒズムへの考察もぬるすぎる。この時代としては斬新だったということなのかな…。映画をポリコレの観点で過去にも遡って捌くような態度には慎重になるべきだと思うが、これに関しては問題外な気がする。まだギリギリ見られるものとして存在しているかもしれないけど、いつか消えてしまう作品な気がするな。。。ポルノとしても3流だし、ノスタルジー以外でどう評価すれば良いのか分からない。とはいえ、「なるほどなー」と思う台詞は結構あった気もする。子供が産まれてきた時にこの残念すぎる世界を生きていくことを純粋に祝福できない感情が、永遠に続く自己否定や他者への怒りとなって表出する感じは確かに面白いというか考察に値すべきかも!
牧史郎

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