牧史郎

ベニーズ・ビデオの牧史郎のレビュー・感想・評価

ベニーズ・ビデオ(1992年製作の映画)
4.0
『ラルジャン』をあからさまに想起させるような手元のショットと貨幣のショットの連続。

全ての犯罪が社会構造の中にある必然的なものであることを示しているかのように。

それでいて、動機は「弱虫」と言われたことへの単純な反応として描かれる。それを言語化すると彼の中では「どうかと思って」ということになるのだろう。

映し出された様々な映像の洪水を積む重ねながら、もっと凄惨な瞬間はフレーム外で行われる。映像に映っているものより、映っていないものの方がリアルという皮肉も効いている。
牧史郎

牧史郎