胎児が密猟する時の作品情報・感想・評価

胎児が密猟する時1966年製作の映画)

THE EMBRYO

製作国:

上映時間:72分

ジャンル:

3.5

「胎児が密猟する時」に投稿された感想・評価

性、暴力、平和、自由、戦争、エディプスコンプレックス
現代社会に巣くう病にここまで焦点を当てた監督はいるだろうか
自宅DVDレンタル。若い時にエロに釣られて、なんの事前情報もなく、この作品と映画館で出会えていたら、もう少し面白い人生を過ごせていたかも知れない。鑑賞のお供は麦とホップ冬小麦。
dita

ditaの感想・評価

4.0
@第七藝術劇場 ~若松孝二監督特集上映~

良い悪い好き嫌いでは語れない衝撃。語彙力がないのがもどかしいけど、やべーすげーと思いながら観た。暴力を振るうのは男なのに圧倒的に女に負けていると思った。あの密室は男の理想世界=子宮なのか。

映像としてはもっと淫靡な感じかと思ってたけど、陰影が狂気的に美しい。なんやあの壁の影って思いながらずっと見惚れてた。

今や男と女を同じ条件で描く作品が増えているけど、やっぱり男女の性って違うところは圧倒的に違うよなと思った(優劣という意味での男女「差」ではないです念の為)。わたしには「おかあさーん」ってなる男の気持ちが一生わからないけど、わからないものはどうしようもない。そういう「差」が生み出す話なのかなと思った。

鞭で叩かれるのは絶対嫌。カミソリも嫌やな。縛られるのがいちばん嫌。普通にしたい派。でも同僚にはあんた絶対Mやって言われる。なんでや。

このレビューはネタバレを含みます

丸木戸定男シリーズ(?)2作目
「安っぽい肉の裏側で夢みる女はどうした?」
実際に起こった事件の
一部始終を観ているかのような狂気ぶり。
生唾をのむ子犬のような女の愛くるしい瞳
虐げられながら女が脳裏に描く世界
金槌でブン殴る狂った笑みが素晴らしすぎる!
キよ4

キよ4の感想・評価

-
ピンク映画という実験的映像と哲学的な内容の不条理映画
マンションの一室とひと組の男女 あまりにもミニマムな低予算を逆手にとった男と女の壮大な物語
赤ん坊を欲しがる女と生まれたことを不幸と思う男
娼婦性と聖母性 憎悪と思慕
私の女すべてを受け入れる女おまえは犬だといって監禁拷問調教 自分だけの飼い犬としての女
そこは世の常 欲望通りには男は女を外的内的に支配なんぞはできるわけはないけど理想としては馬鹿な男の願望としてそうありたいと心の隅で俯いて思う私です
オシッコお漏らしのシーンにはちょっとコーフン
雨と蛇口とシャワー
揺らめく影と光
重ね画とコラージュ
顔のズームインとアウト
目 鼻 口元などの顔のアップ
静止画
無音
細い廊下からの遠目のカット
心の声 回想 妄想
面白すぎる映像と難しすぎる内容
最後まで飽きさせない見事な構成演出編集
一室とひと組の男女だけでこんな面白い映画が作れるなんて最高
男の名前がマルキ・ド・サドからとった丸木戸定男というのが笑える
モノクロ映画
床ずれ

床ずれの感想・評価

4.0
女を監禁して縄で縛り、カミソリで肌を切り裂いて鞭を打ち、男は幻影に苛まれながら母胎回帰を夢見るというただの変態映画なのに、どうしてここまで画面が美しいのだろう。
たむ

たむの感想・評価

3.5
若松孝二監督は密室内で人が狂っていく事に対するテーマを良く扱います。
本作もその一本で、サドマゾからエディプスコンプレックスへ繋がります。
菩薩

菩薩の感想・評価

4.3
「母さん、あんたは何故私を産んだ。そして私はこう苦しむんだ。」

これはきっと復讐劇、楽園であった子宮から地獄である社会へと産み落とされた人間の悲しき叫び。妻に似たその顔を持つ女を、縛り付け、鞭打ち、剃刀を這わせる。徹底して嬲る、痛めつける、罵声を浴びせる、調教する。母は僕を外の世界へと追いやり、そして自分は逃げ出した。妻は子を産みたいと俺を捨て、外の世界へと逃げ出した。だからお前は逃がさない、ここが僕の胎内だと、究極のマザコンに根差した病的なサディズムが猛威を振るう。妻が母になり子を産み育てる、それが「自然」とされる人間社会に対する犯行声明、悲劇の連鎖を断ち切るための不条理な暴力、極めて不快な、それでいて偏執的なか弱き男(丸木戸定男)の暴走は、強靭なる女性の母性と聖性の前で敗北を喫す。男は力で女を抑えつけ、型にはめ飼い慣らし、そうでもしないと己の社会を保っていられない、若松孝二が我ら男性に突きつけたのはそんな情けない現実であり、女性に対する全面降伏勧告なのだと思う。アヴァンギャルドな映像に足立正生の完璧な脚本、グラサンかけて鞭を振るう山谷初男は正直タモリにしか見えない…。
映画男

映画男の感想・評価

2.5
気狂い監禁映画。いやー、むちゃくちゃ。
好き嫌い別れる映画と思う、おれは嫌い
ninjiro

ninjiroの感想・評価

4.2
一瞬は今より永遠に、永遠はその一瞬に帰結する。

ただ一室にて繰り広げられる監禁と暴虐と、愛欲に届くと見せかけて、孤独は高笑いして醜い死体を高く高くに吊り上げる。
男には包み込まれた記憶はあっても、真に誰かを包み込む術を知らない。
状態をカリカチュアして理解し、それを模擬的に試行する事は出来ても、理解のできない苦しみを、何かに例えて理解しようと苦しもうとも、記憶の向こうにある真理には到底辿り着けない。
鞭打つのは上気した劣勢、護るべきは疑わしき本来。危険な匂いは部屋いっぱいに立ち込めて、仮想の隷属は頬張った矛盾を小さな口から逆流して勢い吐き出すか黙して呑み込むか。

泣き叫ぶ子等、包み込まれること無くして産まれた理念はない。原罪という概念を如何に捻じ曲げても人の営みという個々の事例を包括することは叶わず、矛盾を承知で凡ゆる人に害なすものを即ち罪と云う。
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