胎児が密猟する時の作品情報・感想・評価

胎児が密猟する時1966年製作の映画)

THE EMBRYO

製作国:

上映時間:72分

ジャンル:

3.5

「胎児が密猟する時」に投稿された感想・評価

たむ

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3.5
若松孝二監督は密室内で人が狂っていく事に対するテーマを良く扱います。
本作もその一本で、サドマゾからエディプスコンプレックスへ繋がります。
菩薩

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4.3
「母さん、あんたは何故私を産んだ。そして私はこう苦しむんだ。」

これはきっと復讐劇、楽園であった子宮から地獄である社会へと産み落とされた人間の悲しき叫び。妻に似たその顔を持つ女を、縛り付け、鞭打ち、剃刀を這わせる。徹底して嬲る、痛めつける、罵声を浴びせる、調教する。母は僕を外の世界へと追いやり、そして自分は逃げ出した。妻は子を産みたいと俺を捨て、外の世界へと逃げ出した。だからお前は逃がさない、ここが僕の胎内だと、究極のマザコンに根差した病的なサディズムが猛威を振るう。妻が母になり子を産み育てる、それが「自然」とされる人間社会に対する犯行声明、悲劇の連鎖を断ち切るための不条理な暴力、極めて不快な、それでいて偏執的なか弱き男(丸木戸定男)の暴走は、強靭なる女性の母性と聖性の前で敗北を喫す。男は力で女を抑えつけ、型にはめ飼い慣らし、そうでもしないと己の社会を保っていられない、若松孝二が我ら男性に突きつけたのはそんな情けない現実であり、女性に対する全面降伏勧告なのだと思う。アヴァンギャルドな映像に足立正生の完璧な脚本、グラサンかけて鞭を振るう山谷初男は正直タモリにしか見えない…。
映画男

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2.5
気狂い監禁映画。いやー、むちゃくちゃ。
好き嫌い別れる映画と思う、おれは嫌い
ninjiro

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4.2
一瞬は今より永遠に、永遠はその一瞬に帰結する。

ただ一室にて繰り広げられる監禁と暴虐と、愛欲に届くと見せかけて、孤独は高笑いして醜い死体を高く高くに吊り上げる。
男には包み込まれた記憶はあっても、真に誰かを包み込む術を知らない。
状態をカリカチュアして理解し、それを模擬的に試行する事は出来ても、理解のできない苦しみを、何かに例えて理解しようと苦しもうとも、記憶の向こうにある真理には到底辿り着けない。
鞭打つのは上気した劣勢、護るべきは疑わしき本来。危険な匂いは部屋いっぱいに立ち込めて、仮想の隷属は頬張った矛盾を小さな口から逆流して勢い吐き出すか黙して呑み込むか。

泣き叫ぶ子等、包み込まれること無くして産まれた理念はない。原罪という概念を如何に捻じ曲げても人の営みという個々の事例を包括することは叶わず、矛盾を承知で凡ゆる人に害なすものを即ち罪と云う。
324

324の感想・評価

3.7
密閉。フラッシュバックする過去のインサート具合とライティングが好き。これも観れただけで満足。
描く題材がここまで直球のサディストで、フロイト的なコンプレックスなのも凄い。丸木戸さんには笑った。同時期に吉田喜重の作品でも人工受精の作品あったな。
当時爆弾のような作品だったはずだ、やばめで・・・スタイルがきれいで内容は残酷ばかり。女を犬にしているマサコン男の話で、こういうコンテンツが無理だとすすめられないけど、残酷の中に若松監督の社会批判と意味も入っているから好きな映画だ。
ShoseiH

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3.9
若松孝二監督のピンク映画でワンシーンSM映画

逃げられた妻に似た女を見つけてひたすらSM緊縛拘束する話。
登場人物が二人(逃げられた妻を含めるとキャラクター的には3人)で男の部屋でのワンシーンのみで話が完結する。

男女1人ずつと小道具の縄があれは映画が撮れてしまうんだなーと驚嘆。
VHSで鑑賞

妻に逃げられた男が妻と似た女性を見つけて監禁する話。
主人公の男を「胎児」として男の部屋を「母親の腹の中」として考えてみると、なんとなく話の内容を理解できないことはない。でもやっぱりよく分からなかった。ただ映像はめっちゃアバンギャルドだったし、幾つもの映像が重なる場面とか音を入れ替えてる場面とかは観てて面白かった。

このレビューはネタバレを含みます

再見。個人的に、若松孝二監督の最高傑作の一つ。
サディストで女嫌いの専務・丸木戸貞男(もちろんマルキ・ド・サドのパロディー)が女性社員を監禁し、身体に鞭を打つなどの暴力を振るうところからこの映画は始まる。この丸木戸貞男の「女性=犬、豚」といった哲学的モノローグ(詭弁)が非常に歪んでいて恐ろしい。
 病室的な精神を持つ丸木戸は女性社員が、ふと逃げた妻に似ていることに気づく。妻が逃げた理由とは、丸木戸が度重なるサディスティックな行いをしただけでなく、汚辱にまみれた世界に赤子が産み落とされることに強い反発を感じて、彼女が出産するのを拒絶したからであった。
 丸木戸の一方的な「女性かくあるべき」という押しつけや独占欲、さらには「胎内回帰」の願望(「子宮」こそが至高の空間であると考えている)は、彼の行動をエスカレートさせ、女を犬と見なし、「完全なる飼育」を行わせる。拷問を通して、惨たらしい「暴行・暴力」(緊迫、虐待、殴打)描写が度々登場するが、女は隙を見て逃走・反撃の機運を伺う。

そしてついに、逃げる隙を見つけた女は……。ラストの衝撃と凄まじいカタルシスに、茫然。

 白昼の屋上で連続殺人が起こる『ゆけゆけ二度目の処女』、唐十郎演じる青年がナースを皆殺しにする『犯された白衣』(女性なるものへの恐怖、「胎内回帰」願望という点で共通している)、駆け落ちに失敗したカップルとチンピラたちに内ゲバをさせ楽しむ朋輩が逆に復讐されてしまう荒野の密室劇『処女ゲバゲバ』など低予算で革命的な「密室」の数々を構築してきた若松密室劇の中でも、「シナリオ」の回収、映像の迫力、テーマの一貫性そのすべての観点から最高傑作にあたると感じた。
 とにもかくにも、アパートの一室を舞台にここまでハラハラする映画を構築した監督の手腕は見事。その意味でも、本作をヴァイオレンス・スリラーとして見ても申し分なく、面白いはず。もっと言うと、リベンジムービーとして見ても面白いかもしれない。
人非人

人非人の感想・評価

3.0
自分を受け入れてくれる女性を求めて奥さんに似た女を監禁調教する男の話。
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