胎児が密猟する時の作品情報・感想・評価

胎児が密猟する時1966年製作の映画)

THE EMBRYO

製作国:

上映時間:72分

3.6

「胎児が密猟する時」に投稿された感想・評価

当時爆弾のような作品だったはずだ、やばめで・・・スタイルがきれいで内容は残酷ばかり。女を犬にしているマサコン男の話で、こういうコンテンツが無理だとすすめられないけど、残酷の中に若松監督の社会批判と意味も入っているから好きな映画だ。
ShoseiH

ShoseiHの感想・評価

3.9
若松孝二監督のピンク映画でワンシーンSM映画

逃げられた妻に似た女を見つけてひたすらSM緊縛拘束する話。
登場人物が二人(逃げられた妻を含めるとキャラクター的には3人)で男の部屋でのワンシーンのみで話が完結する。

男女1人ずつと小道具の縄があれは映画が撮れてしまうんだなーと驚嘆。
VHSで鑑賞

妻に逃げられた男が妻と似た女性を見つけて監禁する話。
主人公の男を「胎児」として男の部屋を「母親の腹の中」として考えてみると、なんとなく話の内容を理解できないことはない。でもやっぱりよく分からなかった。ただ映像はめっちゃアバンギャルドだったし、幾つもの映像が重なる場面とか音を入れ替えてる場面とかは観てて面白かった。

このレビューはネタバレを含みます

再見。個人的に、若松孝二監督の最高傑作の一つ。
サディストで女嫌いの専務・丸木戸貞男(もちろんマルキ・ド・サドのパロディー)が女性社員を監禁し、身体に鞭を打つなどの暴力を振るうところからこの映画は始まる。この丸木戸貞男の「女性=犬、豚」といった哲学的モノローグ(詭弁)が非常に歪んでいて恐ろしい。
 病室的な精神を持つ丸木戸は女性社員が、ふと逃げた妻に似ていることに気づく。妻が逃げた理由とは、丸木戸が度重なるサディスティックな行いをしただけでなく、汚辱にまみれた世界に赤子が産み落とされることに強い反発を感じて、彼女が出産するのを拒絶したからであった。
 丸木戸の一方的な「女性かくあるべき」という押しつけや独占欲、さらには「胎内回帰」の願望(「子宮」こそが至高の空間であると考えている)は、彼の行動をエスカレートさせ、女を犬と見なし、「完全なる飼育」を行わせる。拷問を通して、惨たらしい「暴行・暴力」(緊迫、虐待、殴打)描写が度々登場するが、女は隙を見て逃走・反撃の機運を伺う。

そしてついに、逃げる隙を見つけた女は……。ラストの衝撃と凄まじいカタルシスに、茫然。

 白昼の屋上で連続殺人が起こる『ゆけゆけ二度目の処女』、唐十郎演じる青年がナースを皆殺しにする『犯された白衣』(女性なるものへの恐怖、「胎内回帰」願望という点で共通している)、駆け落ちに失敗したカップルとチンピラたちに内ゲバをさせ楽しむ朋輩が逆に復讐されてしまう荒野の密室劇『処女ゲバゲバ』など低予算で革命的な「密室」の数々を構築してきた若松密室劇の中でも、「シナリオ」の回収、映像の迫力、テーマの一貫性そのすべての観点から最高傑作にあたると感じた。
 とにもかくにも、アパートの一室を舞台にここまでハラハラする映画を構築した監督の手腕は見事。その意味でも、本作をヴァイオレンス・スリラーとして見ても申し分なく、面白いはず。もっと言うと、リベンジムービーとして見ても面白いかもしれない。
人非人

人非人の感想・評価

3.0
自分を受け入れてくれる女性を求めて奥さんに似た女を監禁調教する男の話。
mato

matoの感想・評価

2.6
監禁ものピンク映画。男は女に母親を重ね母性愛を欲し、また妻を重ね憎しみを鞭に込める。


変態だ。最後はミザリー見てる感じ、早く逃げてーって。ちょっと興奮した。

男は反出生主義者かな?
Haman

Hamanの感想・評価

4.0
密室に、一人の男優と一人の女優のみの実験的映画。
話を端的に言うと、女に自分にのみの母性を求めるあまり出産を嫌い、妻に逃げられた男がその妻に似た女を監禁する話。
そこに、性差の問題は勿論、社会への反発等を昇華しており、色々な見方をさせることが出来るのがこの脚本の巧い所。
画面も、立ち位置や光と影の作為的なつけ方等で、かなり印象深いものになっている。
男の名前はマルキ・ド・サドからとったであろう丸木戸定男。
人は胎内でどのように過ごしどうやって生まれてくるのか?狭い空間での醜い利己主義と、人間主義は見るほど不快。
身籠った妻に逃げられた中年男性が、妻と容姿が瓜二つの婦人を自宅に監禁、奴隷化しようと企む。「なぜ人間は暴力をふるうのか?」をテーマにした、若松孝二監督十八番の密室劇。

見どころは、厭世家・厭人家の思考をストレートに描写しているところ。主人公の男は、人の心に潜んでいる本音と建前を嗅ぎとり、その不条理性が蔓延っている人間社会に矛先を向けている。自我が誇大化した主人公の暴走っぷりと、虐待を受ける女の、真に迫った演技合戦がすさまじい。

後半部のキーポイントは、男は女に対して「聖性と母性」を要求する人間だということ。加えて、男はいつまでも過去にしがみつくが、女は常に未来を見据えているということも踏まえてある。

ピンク映画にカテゴライズされているため偏見をもたれがちだが、これは立派な人生哲学の映画。