英語圏の国に配役の担当者を送り、完璧なピーターを求めて何千人もの子供から選ばれたピーターパン役・リーヴァイ君がすごい。彼の素直な演技と人を惹きつける瞳は実に印象的で、本作が初の大役だと意気込む彼の今後の活躍を思わず期待してしまう。その他脇を固めるヒュー・ジャックマンら俳優陣も幻想的なネバーランドの世界に見事に溶け込みつつも圧倒的な存在感があった。CGはちょっと浮いて見えたりモデリングが甘かったりと残念な部分もあったが、それを差し引いても記憶の木や人魚の水などのファンタジー表現が好み。見終わった後の満足感は間違いなくこれら映像美から得ているものだと確信した。今作ははじまりのストーリーという事で、私たちの知ってるピーターパンの記憶と結びつけようとすると違和感を感じる設定もあるが、自分の内なる子供の部分を呼び起こしてくれたという点では、これもまた新しいピーターパンの誕生として歓迎したい。
