みうらまさき

エール!のみうらまさきのレビュー・感想・評価

エール!(2014年製作の映画)
3.3
聾者の家族の中に唯一の健常者として生まれたポーラの歌の才能が開花。しかし家族はその歌声を聞くことが出来ないため、「パリで歌手になりたい」という夢の後押しができず反対してしまう…。少しシナリオが粗いのが気になったが、特殊な設定ならではの演出面には感覚を刺激され、愛する娘を応援しようと思い直すきっかけになる場面では思わず息を飲んだ。また、驚いたのが意外にもコメディ要素があった事。割と皆オープンに下ネタを話すし、登場人物のデリカシーに欠ける発言や行動は笑いと紙一重で私には受け入れ難かった。その点で文化や価値観の違いは感じつつも「青春の翼」の選曲や、ポーラの歌に感銘を受ける気持ちは等しいと実感できた。時々「なんでこんな邦題つけたの?」と不思議に思う事があるが、新しい風に向かい走り出す娘とそれを笑顔で送り出す家族たちに対して「エール!」は久々のヒットだ。