あきしげ

ターザン:REBORNのあきしげのレビュー・感想・評価

ターザン:REBORN(2016年製作の映画)
3.5
そして、伝説となる。

良かった点。

・現代映画の良いところを詰め込んでいる
・ターザンへの敬意がある
・アレクサンダー・スカルスガルドの肉体美
・マーゴット・ロビーの美しさ

悪かった点。

・桐谷健太の典型的な素人吹き替え
・ターザンの表情が乏しい
・クリストフ・ヴァルツに頼った悪役

古き良き『ターザン』の実写映画。
今の時代に『ターザン』など誰が観るか。
そう思っていた時期がありました。

しかし、本作はよく出来ている。
とにかく、CGとの調和が抜群である。

今では当たり前となったCGだが、本作は違和感もなくなっている。
特にライオンたちの造形は本物だとしか言えない。
本物だったらごめんなさい。

実際に本当の動物を使うと制限がある。
だが、CGだったら、金さえあればなんでもできる。
それを象徴するような作品だと言えます。

どんどん進化していく映像技術。
それと比べてストーリーは牛歩の如し。
近年は映像だけの作品が多い中、本作はオリジナルに敬意を表しつつ現代的な解釈も取り入れている。
古き良き『ターザン』もしっかりと描かれている。
確かにターザンの象徴的な雄叫びは普通に考えたらおかしい。
それをどこに入れるか気になっていた。

100点中60点ぐらいだろうか。
ちょっとばかり強引に感じた。
代名詞であるツタ渡りは迫力あって素晴らしかった。
だけど、遠くから聞こえる雄叫び。
レン・ロムが言うように「想像と少し違った」に同意。
もう少し盛り上がる場面に欲しかった。

出演者については文句なし。
アレクサンダー・スカルスガルド。
マーゴット・ロビー。
サミュエル・L・ジャクソン。
クリストフ・ヴァルツ。
全員がきちんと自分の役割を果たしている。

ただ、クリストフ・ヴァルツの悪役のキャラクター。
もっと魅力的に描いても良かったと思う。
俳優の魅力だけで成り立たせちゃいけない。

そして、吹き替え。
大人の事情で桐谷健太が起用された。
旬の俳優だし、野性的なイメージがある。
大人たちはほくそ笑みながら思いついたのでしょう。
で、実際に聞いてもみると萎える滑舌の悪さ、抑揚のない演技、ボリュームの小ささ。
一人だけ浮いているという典型的な素人吹き替え。

英語だけで映画が鑑賞できたらどれだけ面白さが変わるのか。
またもそう思わせるような吹き替えでした。
ただ、作品自体は面白かったので充分フォローしている。

本作は現代的にアレンジした新たな『ターザン』として良作だと思います。
あきしげ

あきしげ