花俟良王

パディントンの花俟良王のレビュー・感想・評価

パディントン(2014年製作の映画)
4.0
すーっごい楽しかった!何気にスルーされてるけどCGというかVFXというか、パディントン普通にそこにいた。凄い。

子供と見に行ったけど、同じ場面でも違う意味で笑ったり、どちらも等しく楽しめたはず。

大人としては、冒頭、ペルーからロンドンへの旅立ちに不安を隠せないパディントンに叔母が言う「あの国はきっと受け入れてくれるはず」の言葉ですでに涙腺が…。

作り手のイギリスへの想いがヒシヒシと伝わってくる。私たちの愛するイギリスはこうあってほしいんだ、という願い。ディズニーやピクサーのように「子供たち」に贈りたいのではなく、「イギリス」に贈ってるんだ、というスタンスが泣かせる。

お国柄だと感心させられたのは、トンガリ帽子の王室近衛兵が、こっそりパディントンを雨宿りさせて、帽子の中からサンドウィッチや紅茶を出すシーン。常に権力を風刺・批判することを恐れない英国魂に胸がすく。お前ら市民にこんくらいやれよ、と。これを日本の皇室に置きかえるなんて想像できない。土壌の違いを思い知らされた。

当然去年のギリシャ難民問題発生以前に作られているはずだけど、「イギリスは寛容であるべき」というテーマが今なおさらに胸を打つ。

とかなんとか言ってるけど、屁理屈抜きで楽しめます、もちろん。
花俟良王

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