HidekiAndo

複製された男のHidekiAndoのネタバレレビュー・内容・結末

複製された男(2013年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

正解かなんて、作った人以外、誰にも分からないと思いますが、自分が観て考えた物がブチ込まれており、そういう意味では【相当なネタバレ有り】ですwww。
思わずそうしてしまった位、面白かったです。

いやーーースゴい!!!

最初はSF 的な、そっくりな2人が出会うのは危険ですよー、な話だと思って1度は観終わりそーになった所で、摩訶不思議なエンディングに『むむむむ???』となり、いろんな人のレビューを読ませてもらい、『ぎゃーーわーーー!』となって、3回観ましたww。

そういう目線で観ると、『(警察を)呼べよ 何て話す気だ』の件は正に、ファイトクラブとソレと一緒ですねw。

自分の解釈は、冒頭の母親からの電話の相手が『アダム』と訳されていて混乱しましたが、封筒を最後に持っていた(アンソニーのジャケットに入っていた)三流役者アンソニーが主な人格だと思いました。
そういう結果になった理由を、内容に沿ってダラダラ書き連ねていきますw。


秘密のクラブで蜘蛛(ユング曰く、心理学的に蜘蛛=「縛り傷つける女性」「束縛する母親」のメタファだそうです。妻メアリーがアンソニーの浮気を疑うシーンもありました) が潰されたのを見た時に、妊婦がいながらの浮気の現実逃避として、『真面目で几帳面な大学教授をしている自分』を作り出し、それがリアリティを帯びすぎてしまった事によって、『その人間が自分を探しだす』という妄想にかられる(というか、お互いがどちらが本当なのか、分からなくなってしまう)。


『ブルーベリー』も示唆的な小物として効いていました。
アダムが(アダムとして)母親と会った際に、母親が『身体に良い物』だからと出され、それを切らす事を必要以上に嫌うアンソニーの家の冷蔵庫にはちゃんとブルーベリーは入っていたりと、ブルーベリーに頓着のないアダムと、執着するアンソニーの対比は、印象的でした。


奥さん(ヘレン)が大学で会ったアダムは、その妄想がエスカレートし、実際にアダムの勤める(妄想の中で)大学まで行ってしまったアンソニーで、その時に奥さんは、そういう分裂する旦那の状況に気付いていたと思います(最後の方で『今日学校は?』『今夜はここにいて』辺りのセリフで)。


遂には、本来の人格のアンソニーが暴走し始め(結果、自己防衛とも取れますが)、交通事故(車の割れた窓も蜘蛛の巣に)によって浮気相手と共にアンソニーの人格も消滅(もしかしたら本当に殺めている可能性もありますが )した事で、アダムとして人格が統一され、ヘレンを抱く。
ヘレンも優しく几帳面なアダムを受け入れます。


しかし翌朝、ポケットの中に入った封筒の中身である『鍵(秘密のクラブに入る為の)』を見つめたいたら、アンソニーとしての記憶が蘇り、『ヘレン 今夜の予定は?僕は出かけるよ』となったら最後、ヘレンは再び『アンソニーにとっての蜘蛛』になってしまいましたとさ。
おしまいおしまい。


という解釈でしたw。
というか、ここまで色々な方のレビュー見て、それらを参考に自分なりに解釈し、でも正解じゃないな、感の残る映画は初めてかもです。


色んな人の解釈が聞いてみたいし、原作も読んでみたいしと、色んな欲求が沸く作品でしたし、かなり観る側に解釈を委ねた作品だと思います。
まだまだ自分が見逃してるポイントもあるでしょうし。


そういう意味でも凄く面白かったですし、邦題の『複製された男』は、そういった思考の邪魔をする、良くないヤツだなぁ、とも思いましたww。
洋題の『ENEMY』の方がしっくり来ますし、画像の海外版のポスターの方が、内容を端的に表していると思い、載せておきます。

駄文長文失礼致しましたm(__)m
HidekiAndo

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