ルネ・マグリットの絵画「不許複製」が特徴的に使われていた作品「ある男」を観た後でチョイスしたのが今作。監督はドゥニ・ヴィルヌーヴで、主演はジェイク・ギレンホール。
大学で歴史の教鞭をとるアダムは、薦められた映画の中に自らと瓜二つの男を発見する。その男アンソニーと接近するが、次第にお互いの歯車は狂っていくことにー。
とても考察の余地が多く、鑑賞難易度が高い作品でした。妻という存在がありながらも欲望に溺れる心理をもう一人の自分(他人or同一人物)として描いている様な…。その戒めの視線として蜘蛛が特徴的に登場していた気がします。
気になって調べてみたところ作中の巨大な蜘蛛は、六本木ヒルズはじめ世界に複数存在するルイーズ・ブルジョアの彫刻「ママン(フランス語で母)」をオマージュしているそう。
ルイーズ・ブルジョアが幼い頃、父親と愛人との関係を知りながらも母親は家庭を守っていたのだとか。壊れそうな巣を懸命につくり直す蜘蛛と母親が重なるのは合点がいくし、この映画を観る大きなポイントなのも分かりました。
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