ナガノヤスユ記

アメリカン・スリープオーバーのナガノヤスユ記のレビュー・感想・評価

4.5
子供みたいな大人。大人みたいな子供。いるよね。
当たり前だけど、人間は一夜にして突然子供から大人になったりしない。子供でも大人でもない、何者でもないものを経て大人になっていく。というか、もしかしたら人間なんて、所詮ずっとそんな何者でもない存在のまま死んでいくのかもしれない。
人でもなければ獣でもなく、子供でもなければ大人でもない。自分が生きているのか、死んでいるのかさえ確信がもてない。
そんな得体の知れない存在への恐怖と誘惑のない交ぜが、まさしく次作でフォローしてくる「イット」なわけですが、本作では人間が「何者でもないもの」に変化する瞬間(もし本当にそんなものがあったとすれば)を、間違いなくかすめ捉えているに違いない。

僕の大好きなポスト思春期系映画だ。夜の闇の中の微かな光を抜けて、昼間の明るい陽光の中で死んでしまったような何か。