デイジーベル

アメリカン・スリープオーバーのデイジーベルのレビュー・感想・評価

4.0
『青春のクライマックスを舞台に 終わりと始まりを描く群像劇』


◯作品と概要◯
「イット・フォローズ」で脚光を浴びたデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督による、思春期のとある夏の出来事を甘酸っぱくもリアルに描く青春ドラマ。
イットフォローズと同じく親や大人は出てこない作品で、それがまたいい感じの没入感を生み出してくれる。と同時に作品を神聖な、神話的に感じさせる。(大人は出てこないが、様々な年齢の若者が出でくるので、我々 青春が終わったと思っている人達にも青春の糸口が掴みやすい。)
※本作とは関係無いが、この作品を見た後にイットフォローズを見ると、イットフォローズでモヤモヤしていたところが、なんとなく伝わって来やすいと思います。

◯感想◯
あの頃のドキドキ感を味わいつつも、本物の当時のドキドキ感はもう味わえないのかも知れないという事実に寂しさを感じる事になってしまった秀作。忘れていた恥ずかしい(消し去りたい)過去や、ほんの少しのスリルとお酒と仲間が居れば楽しかった青春時代がフラッシュバックしてくる。小さく何もない田舎町という設定がまた、我々の閉鎖感を刺激し、過去をより重く感じさせる。プロム同様、日本にはあまり馴染みない文化でありつつも、こんなにも当時の感覚を思い出させる作品は少ない。
青春の終わりを突きつける様な演出などは大変素晴らしく、やはり特別な物は期限があるからこそ輝きを放っていると実感させられる。


◯とにかく個人的な雑記◯
引越しや、仕事の業務内容、除雪による寝不足や時間不足により、あまり映画を観れない(観ても落ち着いてレビューを書けない、書く気があまり湧かない)という日々が続いておりました。引越しは一応落ち着き、今後はマイペースでのレビュー投稿となりそうです。(´ω`)