このレビューはネタバレを含みます
いい話だったので途中まであらすじ書きます。
〈インドに住む料理上手の主婦シャシは、英語教育を受けてこなかったため英語がほとんど喋れないし読めない。それを高校生の娘に馬鹿にされ、恥ずかしいと思われている。
ラドゥというお菓子を作って宅配するというちょっとした商売をしてお客さんに喜ばれているのを誇りに思っているが、夫は全く理解してくれず、「俺のためだけに料理してろ」などという。
ある日、ニューヨークに住む姉から電話があり、姪の結婚式に出席するために家族でニューヨークに行くことになるが、準備を手伝うためにシャシだけが3週間早く渡米することに。
飛行機や入国手続きで苦労するが、周りの助けもあってなんとかニューヨークに着き、姉の家での生活が始まった。
姉の下の娘に誘われて街に出るが、一人でいる時に勇気を出して入ったカフェで、英語がわからないためなかなか注文できず、店員から酷い扱いを受けてしまう。
プライドがズタズタになり落ち込むシャシの目に入ったのは、「4週間で英語が話せます」という広告。電話番号をしっかり覚えて帰り、翌朝、電話して、授業料や場所をがんばって聞き出し、地下鉄で街に出かけ、英会話教室に通い出す。
そこには南米系、中国系、アフリカ系、イタリア系など様々な人種の、英語が苦手な人たちがいた。〉
という話です。これで起承転結の承くらいです。
全体にテンポが良くてどんどん展開していって、面白かった。
シャシがニューヨークに着いてから学校に行く決断をするまでが早くて、行動力のある素敵な女性だなあって思いました。夫はなんでそれをわかってあげないんだろ。
Indiaにはtheがつかないのにどうして United States of Americaにはtheがつくのかって、いい質問だよね。
やっぱ、冠詞って英語ネイティブでない人にはわかりにくいんだね。日本人だけじゃなかった。
カフェの店員さんがものすごく嫌なやつだったけど、アメリカに着いてからは他にはあまりひどい人は出てこなくて、良かった。
実際はあの店員さんみたいな人もたくさんいるんだろうけどね。
特に先生がすごく魅力的で優しくていい。
ラドゥってお菓子が最初の方と最後の方で出てくるんだけど、すごく美味しそう。
食べてみたい。
最後は結局元の生活に戻って終わりで、外面的には何も変わってないように見えるけど、娘や夫はシャシのことを誇りに思うようになったし何よりシャシ本人が自分に自信がついて、幸せになったと思う。
少し勇気を出して踏み出せば、人生が変わってくるよっていうお話です。
今このレビュー書きながら、似たようなテーマの映画が何かあったなあと思って考えてました。
よくあるテーマだとは思うけど、今心に浮かんだのは『ローマの休日』です。あっちは1日だけ、こっちは3週間だけど、その経験があるかないかでその後の人生の彩りが全然違ってくると思う。表面上は元の生活と同じだけれどね。